
「アクアリウムを始めたいけど、水草の管理は難しそう…」
「すぐに枯らしてしまいそうで、何から育てればいいか分からない…」
そんなアクアリウム初心者の方に、おすすめしたい水草があります。それが、「アヌビアス・ナナ」です。
丈夫で育てやすく、美しい緑の葉で水槽を彩ってくれるアヌビアス・ナナは、「初心者最強の水草」とも呼ばれるほど。この記事では、アヌビアス・ナナの基本的な育て方から、枯らさずに長く楽しむためのコツ、さらには増やし方まで、徹底的に解説します。
この記事を読めば、あなたもきっとアヌビアス・ナナの魅力に気づき、自信を持ってアクアリウムを始められるはずです。
アヌビアス・ナナとは?その魅力と特徴

アヌビアス・ナナは、アフリカ原産のサトイモ科の植物です。水草の中でも特に丈夫な種類として知られ、その育てやすさから多くの初心者アクアリストに愛されています。
主な特徴は以下の通りです。
- 非常に丈夫: 環境の変化に強く、幅広い水質や水温に適応できます。
- 成長が緩やか: 頻繁なトリミング(剪定)が不要で、管理が非常に楽です。
- 美しい濃い緑の葉: 硬質で光沢のある美しい葉は、水槽内で存在感を放ちます。
- 活着する性質: 石や流木に根を張って成長する「活着(かっちゃく)性」という性質を持っています。これにより、レイアウトの自由度が高いのも魅力です。
CO2(二酸化炭素)の添加や強い光も必要としないため、特別な設備がなくても手軽に始められるのが、初心者にとって最大のメリットと言えるでしょう。
アヌビアス・ナナを育てるために最低限必要なもの
特別な設備は不要ですが、アヌビアス・ナナを元気に育てるために、以下のものは準備しましょう。
- 水槽: 魚を飼育する基本的なセットで問題ありません。
- 照明(ライト): 専用のものでなくても、明るい室内に置くだけでも育ちますが、1日数時間点灯できるLEDライトなどがあると、より健康的に育ちます。
- フィルター: 水を綺麗に保つためのろ過装置です。魚を飼育する場合は必須です。
- 流木や石: アヌビアス・ナナを活着させるための土台です。
- 釣り糸やビニタイ: アヌビアス・ナナを流木や石に固定するために使います。
底に敷く砂(底床材)は、砂利や大磯砂など何でも構いません。後述しますが、アヌビアス・ナナは底床に直接植えないため、ソイルなど栄養系の底床材は必須ではありません。
アヌビアス・ナナの基本的な育て方
アヌビアス・ナナは非常に適応範囲が広い水草ですが、最適な環境を整えてあげることで、より美しく健康に育ちます。
- 光量: 弱い光で十分です。強い光はかえって葉にコケが生える原因になるため、避けた方が良いでしょう。照明時間は1日6〜8時間程度が目安です。
- CO2(二酸化炭素): 基本的に添加は不要です。添加すると成長が促進されますが、無くても全く問題なく育ちます。
- 水温: 22℃~28℃が適温です。日本の一般的な室温であれば、特にヒーターやクーラーがなくても冬越し・夏越しが可能な場合が多いです。
- 水質: 弱酸性~弱アルカリ性(pH 6.0~7.5)まで、幅広い水質に対応します。日本の水道水は中性付近なので、カルキ抜きをすれば問題ありません。
【最重要ポイント】アヌビアス・ナナの正しい設置方法(活着)

初心者がアヌビアス・ナナを枯らしてしまう最も多い原因が、この設置方法の間違いです。ここだけは必ず押さえてください。
絶対にNG!根茎を砂やソイルに埋めないこと
アヌビアス・ナナには、葉と根の間に「根茎(こんけい)」と呼ばれる、太い茎のような部分があります。
この根茎を底床(砂やソイル)に完全に埋めてしまうと、呼吸ができずに腐ってしまい、株全体が枯れる原因となります。
根は砂の中に多少入っても問題ありませんが、緑色の根茎は必ず水中に露出させてください。
正しい活着の手順
- アヌビアス・ナナを準備する: ポットに入っている場合は、周りのロックウールなどを丁寧に取り除き、水道水で軽く洗い流します。
- 土台を選ぶ: レイアウトに合う流木や石を選びます。
- 固定する: 根茎を流木や石のくぼみなどに合わせ、釣り糸やビニタイで優しく巻きつけて固定します。この時、根茎を傷つけないように注意してください。
- 水槽に設置する: 固定したアヌビアス・ナナを、水槽内のお好みの場所に配置します。
数週間から数ヶ月経つと、アヌビアス・ナナ自身の根が流木や石にしっかりと張り付きます。そうなれば、固定していた糸は取り外しても問題ありません。
日常のメンテナンスと管理
日々の管理はほとんど手間がかかりませんが、いくつかのポイントを知っておくと、より長く楽しめます。
- 水換え: 魚を飼育している場合は、週に1回、1/3程度の水換えを行うのが基本です。これは水質を維持し、コケの発生を抑制するためにも重要です。
- 肥料: 基本的に肥料は不要です。水槽内の魚のフンや残り餌が分解されたものが栄養になります。もし葉の色が薄くなるなど、栄養不足が疑われる場合は、規定量の半分以下の液体肥料を少量添加する程度で十分です。
- トリミング(剪定): 成長が遅いため、頻繁なトリミングは必要ありません。葉が黄色くなったり、傷んだり、コケがひどくなった葉が出てきたら、その葉の付け根からハサミでカットしてください。
初心者が陥りがちなトラブルと対策

丈夫なアヌビアス・ナナでも、トラブルが起きることはあります。主な原因と対策を知っておきましょう。
1. 葉にコケが生える
最も多いトラブルです。成長が遅いため、葉の表面にコケが付着しやすいのが弱点です。
- 対策① 光量を抑える: 照明が強すぎる、または点灯時間が長すぎる可能性があります。光量を弱めるか、点灯時間を短く(1日6時間程度に)してみましょう。
- 対策② コケ取り生体を導入する: ヤマトヌマエビやオトシンクルス、石巻貝などは、葉の表面のコケを食べてくれる心強いお供です。
- 対策③ 定期的な水換え: 水中の養分が多すぎるとコケの温床になります。定期的な水換えで富栄養化を防ぎましょう。
- 対策④ 直接除去する: コケがひどい場合は、木酢液(もくさくえき)を薄めたものを筆などで葉に直接塗ると、コケを枯らすことができます(作業は必ず水槽外で行い、薬剤をよく洗い流してから水槽に戻してください)。
2. 葉が黄色くなる・溶けるように枯れる
- 原因① 根茎を埋めている: 上記で解説した通り、根茎が埋まっていると腐ってしまいます。すぐに掘り起こし、活着させ直しましょう。
- 原因② 急激な環境変化: 購入してきたばかりの時など、水質が急に変わると葉が傷むことがあります。多くの場合、新しい環境に適応すれば新芽が出てきます。
- 原因③ 栄養不足: 長期間、魚がおらず栄養分が極端に少ない水槽では、カリウムなどが不足することがあります。ごく少量の液体肥料で改善する場合があります。
アヌビアス・ナナの増やし方(株分け)

アヌビアス・ナナは、ご家庭で簡単に増やすことができます。
- 健康な株を選び、水槽から取り出します。
- 根茎をよく見ると、葉が数枚ついた節がいくつかあるのがわかります。
- 清潔なハサミやカッターで、葉が最低でも2〜3枚ついた状態で根茎をカットします。
- 切り分けた株を、それぞれ新しい流木や石に活着させれば完了です。
最初は小さな株ですが、時間をかけてゆっくりと成長していきます。
【まとめ】アヌビアス・ナナでアクアリウムを始めよう!
今回は、アクアリウム初心者にとって最高のパートナー「アヌビアス・ナナ」の育て方について詳しく解説しました。
【アヌビアス・ナナ育成の最重要ポイント】
- とにかく丈夫で、難しい管理は不要!
- 最大の注意点は「根茎(こんけい)」を砂やソイルに埋めないこと!
- 流木や石に「活着」させて楽しむのが基本スタイル。
- 強い光は不要。むしろ弱い光を好む。
- コケが生えやすいので、ヤマトヌマエビなどのお掃除生体を入れるのがおすすめ。
アヌビアス・ナナが一つあるだけで、水槽の雰囲気はぐっと本格的になります。この記事を参考に、ぜひあなただけのアクアリウム作りに挑戦してみてください。その手軽さと美しさに、きっと満足するはずです。


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